1-to-1 NAT を構成する
適用対象: クラウド管理の Firebox
1-to-1 NAT ルールは、あるネットワークの IP アドレスと別のネットワークの IP アドレスをマッピングするのによく使用されます (ノースサウス トラフィック)。また、1-to-1 NAT ルールを使用して、独自のネットワーク内の異なる IP アドレスをマッピングすることもできます (イーストウエストトラフィック)。
任意のインターフェイスの 1-to-1 NAT を構成し、1-to-1 NAT ルールを 1 つの IP アドレス、アドレスの範囲、またはサブネットに適用することができます。1-to-1 NAT ルールは、常に動的 NAT よりも優先されます。
1-to-1 NAT を構成する際、1-to-1 NAT で使用する IP アドレスは他の目的には使用できません。たとえば、受信トラフィックや、VPN などの Firebox の機能にも 1-to-1 NAT の IP アドレスを使用することはできません。
1-to-1 NAT とポリシー設定
既定では、すべての新規のファイアウォール ポリシーで 1-to-1 NAT ルールが使用されます。ポリシーの詳細設定では、1-to-1 NAT を有効化または無効化することができます。ポリシーで 1-to-1 NAT 設定を構成する方法については、次を参照してください:ファイアウォール ポリシーで動的 1-to-1 NAT を構成する。
1-to-1 NAT ルールを構成する
各 1-to-1 NAT ルールでは、ホスト、ホストの範囲、またはサブネットを構成できます。また、以下の設定も定義します:
1-to-1 NAT が適用される外部または内部インターフェイス。Firebox は、インターフェイスで送受信されるパケットに 1-to-1 NAT を適用します。
ホスト数 (IP 範囲のみ)
1-to-1 NAT ルールを適用する範囲に含まれる IP アドレスの数。1-to-1 NAT を適用すると、1 番目の 実ベース IP アドレスは、1 番目の NAT ベース の IP アドレスに変換されます。範囲内の 2 番目の実ベース IP アドレスは、2 番目の NAT ベースの IP アドレスに変換されます。NAT 適用ホスト数に達するまで、この手順が繰り返されます。最大 254 までホストを追加できます。
NAT ベース
1-to-1 NAT ルールを構成する場合は、IP アドレスの範囲を 始点 と 終点 で指定してルールを構成します。NAT ベースとは、アドレスの 終点 の範囲の中で使用できる先頭の IP アドレスです。NAT ベースの IP アドレスは、Firebox が 1-to-1 NAT を適用したときに実ベースの IP アドレスの変更先となるアドレスです。イーサネット インターフェイスの IP アドレスは、NAT ベースには使用できません。外部インターフェイス経由の NAT の場合は、NAT ベースはパブリック IP アドレスとなります。
1-to-1 NAT を使用する別のインターフェイス上のコンピュータに接続するには、そのコンピュータのパブリック (NAT ベース) IP アドレスを使用する必要があります。あるいは、1-to-1 NAT を無効化して静的 NAT を使用することができます。詳細については、次を参照してください:Firebox の静的 NAT アクションを構成する。
実ベース
1-to-1 NAT ルールを構成する場合は、IP アドレスの範囲を 始点 と 終点 で指定してルールを構成します。実ベースとは、アドレスの 始点 の範囲の中で使用できる先頭の IP アドレスです。これは、1-to-1 NAT ルールを適用するコンピュータの物理イーサネット インターフェイスに割り当てられる IP アドレスです。実ベース アドレスを持つ Endpoint からのパケットが指定されたインターフェイスを通過すると、Firebox は 1-to-1 NAT アクションを適用します。外部インターフェイス経由の NAT の場合は、実ベースはプライベート IP アドレスとなります。
外部インターフェイスの場合は、実ベース はネットワークのホストの実際(プライベート)の IP アドレスを指し、NAT ベース はプライベート アドレスに関連付けるパブリック IP アドレスを指しています。
パブリック IP アドレスが 1 つ、または少数しかない場合は、1-to-1 NAT を有効にしないでください。パブリック IP アドレスが 1 つしかない場合、1-to-1 NAT は機能しません。パブリック IP アドレスがごく少数の場合は、パブリック IP アドレスをより有効に活用するために静的 NAT (SNAT) の使用を推奨します。詳細については、次を参照してください:Firebox の静的 NAT アクションを構成する。
1-to-1 NAT ルールを構成するには、WatchGuard Cloud から以下の手順を実行します。
- 構成 > デバイス の順に選択します。
- クラウド管理の Firebox を選択します。
- デバイス構成 をクリックします。
- ネットワーキング セクションから、NAT タイルをクリックします。
NAT ページが開きます。
- 1-to-1 NAT セクションで、1-to-1 NAT を追加 をクリックします。
ルールを追加する ダイアログ ボックスが開きます。
- マップの種類 ドロップダウン リストから、次のいずれかのオプションを選択します。
- 単一の IP — 1 つのホストをマッピングします。
- IP 範囲 — ホストの範囲をマッピングします。
- IP サブネット — サブネットをマッピングします。
IP 範囲 を選択する場合は、254 を超える IP アドレスを持つサブネットまたは範囲を指定しないでください。254 を超える IP アドレスに 1-to-1 NAT を適用したい場合は、複数の 1-to-1 NAT ルールを作成する必要があります。
- ネットワーク、NAT ベース、および 実ベース の設定を構成します。詳細については、本トピックの 1-to-1 NAT ルールを定義する セクションを参照してください。
- ホスト数 に値を入力します (IP 範囲のみ)。
- 追加 をクリックします。
- 構成変更をクラウドに保存するには、保存 をクリックします。
- NAT IP アドレスを適切なポリシーに追加します。詳細については、次を参照してください:ファイアウォール ポリシーで動的 1-to-1 NAT を構成する。