ポリシー オブジェクトについて
適用対象: AuthPoint 多要素認証、AuthPoint Total Identity Security
ポリシー オブジェクトとは、ネットワーク ロケーションなど、個別に構成可能なポリシーの構成要素です。ポリシー オブジェクトを構成してから、認証ポリシーに追加します。
以下の種類のポリシー オブジェクトを構成することができます。
ネットワーク ロケーション
ネットワーク ロケーションのポリシー オブジェクトを使用すると、IP アドレスのリストを指定することができます。これにより、指定したネットワーク ロケーションの IP アドレスから認証を受けた場合にのみ適用される、認証ポリシーを構成することができます。
タイム スケジュール
タイム スケジュール ポリシー オブジェクトを使用すると、認証ポリシーをユーザー認証に適用する日時を指定することができます。認証ポリシーにタイムスケジュールを追加すると、指定したタイム スケジュールの間にユーザーが認証を行った場合にのみ、ポリシーが適用されます。
ジオフェンス
ジオフェンス ポリシー オブジェクトを使用すると国のリストを指定することができます。これにより、ユーザーは、それらの国から認証を受けた場合にのみ適用される認証ポリシーを構成することができます。場所ごとに異なる MFA 要件を適用する場合、または特定の国における認証をブロックする場合に、このポリシーを用います。
ジオキネティクス
ジオキネティクス ポリシー オブジェクトにより、ユーザーの現在地と最後に認証が正常に行われた場所を比較するポリシー オブジェクトを作成することができます。AuthPoint では、認証発生の距離と時間に基づいて、前回の認証の地点からユーザーがその時間内で移動できないと考えられる場所での認証が自動的に拒否されます。
認証ポリシーにポリシー オブジェクトを追加すると、そのポリシーは、認証とポリシー オブジェクトの条件に合致するユーザー認証にのみ適用されます。たとえば、ポリシーに特定のネットワーク ロケーションを追加すると、そのポリシーは、そのネットワーク ロケーションから行われるユーザー認証にのみ適用されます。
ポリシー オブジェクトが含まれていない、同じグループやリソースを対象とした 2 つ目のポリシーも作成することをお勧めします。ポリシー オブジェクトを含むポリシーのみを持つユーザーは、ポリシー オブジェクトの条件が認証に適用されない場合、そのリソースへアクセスすることはできません (認証が拒否されたためではなく、適用するポリシーを持っていないため)。
- ネットワーク ロケーションを含むポリシーのみを持つユーザーが、そのネットワーク ロケーションではない場所で認証されると、そのリソースへアクセスすることはできません。
- タイム スケジュールを含むポリシーのみを持つユーザーが、そのタイム スケジュールの時間外に認証されると、アクセスすることはできません。
- ジオフェンスが含まれているアクセスを許可するポリシーのみが設定されているユーザーの場合は、指定国以外では認証を受けてもリソースにアクセスすることができません。
2 つのポリシー (ポリシー オブジェクトを含むポリシーと含まないポリシー) がある場合、ポリシー オブジェクトを含むポリシーに、より高い優先度を割り当てます。詳細については、次を参照してください:ポリシーの優先順位について。
ジオキネティクス ポリシー オブジェクトは、認証が完了した後に適用されるため、他のポリシー オブジェクトとはしくみが異なります。ジオキネティクスにより認証条件に影響が及ぶことはありません。そのため、ジオキネティクス ポリシー オブジェクトを認証ポリシーに追加する場合も、ジオキネティクス ポリシー オブジェクトなしで 2 つ目のポリシーを作成する必要はありません。