SD-WAN 監視、ステータス、および手動フェールバック (Firebox System Manager)

Fireware v12.3 以降では、Firebox はパフォーマンス メトリックスを使用して SD-WAN ルーティングの決定を下すことができます。例えば、プライマリ インターフェイスが混雑状態になった場合は、トラフィックを別のインターフェイスにルーティングする SD-WAN アクションを構成することができます。

Firebox System Manager の SD-WAN タブで以下を行うことができます。

  • 外部インターフェイス (Fireware v12.2.1 以降) のリアルタイムのパフォーマンス メトリックを示すグラフを構成します。
  • 内部インターフェイス (信頼済みネットワーク、任意ネットワーク、およびカスタム ネットワーク)、および BOVPN 仮想インターフェイス (Fireware v12.4 以降) のリアルタイムのパフォーマンス メトリックを示すグラフを構成します。
  • SD-WAN アクションの接続を手動でフェールバックするように選択します (Fireware v12.3 以降)
  • Firebox で構成されているすべての SD-WAN アクションのリスト、各アクションのモード、インターフェイス、およびフェールバック オプションを参照してください (Fireware v12.3 以降)

SD-WAN アクションおよびポリシーの詳細については、次を参照してください:SD-WAN について

インターフェイスを監視するには、インターフェイスの 1 つ以上の Link Monitor ターゲットを構成します。Link Monitor の詳細については、Link Monitor について を参照してください。

このトピックでは、Firebox System Manager (FSM) の監視、ステータス、および手動フェールバックについて説明します。Fireware Web UI の監視、ステータス、および手動フェールバックの詳細については、インターフェイス情報と SD-WAN 監視 および SD-WAN ステータスおよび手動フェールバック (Web UI) を参照してください。

SD-WAN 監視について

これらのメトリックの 1 つを選択して SD-WAN グラフに表示することができます。

  • 喪失 — 喪失したパケットのパーセント
  • レイテンシー — パケット配信の遅れ (ms)
  • ジッター — パケット配信の遅れの差 (ms)

Firebox は、インターフェイスに指定する Link Monitor ターゲットを使用して、喪失、レイテンシー、およびジッターを計算します。たとえば、インターフェイス eth0 の Link Monitor ターゲットとして 203.0.113.1 を指定すると、SD-WAN グラフには eth0 インターフェイスと 203.0.113.1 間の喪失、レイテンシー、およびジッターが示されます。

損失、レイテンシーとジッターを計算するため、Firebox は Link Monitor ターゲットからの直近の 100 のプローブ結果を使用します。プローブ結果は 10 のグループに保存されます。10 のグループそれぞれに 10 件のプローブ結果があると、最も古いグループのプローブ結果がクリアされ、新たな 10 件の結果が保存されます。

ジッターの計算には、未補正標準偏差が使用されます。ジッターの計算方法の詳細については、WatchGuard ナレッジ ベースで ジッターの計算方法 を参照してください。

Fireware v12.2.1 では、Firebox は Link Monitor ターゲットからの直近の 10 件のプローブ結果を使用し、ジッターの計算には補正標準偏差が使用されます。

SD-WAN 監視を構成する

インターフェイスの SD-WAN 監視データを確認するには、以下の手順を実行します:

  • インターフェイスで Link Monitor が有効になっている必要があります。
    外部インターフェイスの有意義なデータを表示には、既定のゲートウェイ以外の Link Monitor ターゲットを指定することが推奨されます。
  • グラフの設定で、インターフェイスを追加する必要があります。

FireCluster メンバーの SD-WAN 監視データを表示するには、以下の手順を実行します。

  • アクティブ/パッシブ クラスタの場合は、クラスタ マスターの管理 IP アドレスに接続するか、インターフェイス IP アドレスに接続します。SD-WAN 監視データは、パッシブ クラスタ メンバーでは使用できません。
  • アクティブ/アクティブ クラスタの場合は、クラスタ マスターの管理 IP アドレスに接続する必要があります。パッシブ クラスタ メンバーでは、またはインターフェイス IP アドレスに接続している場合は SD-WAN データを使用できません。

Link Monitor ターゲットを構成し、グラフ設定でインターフェイスを追加したら、他のグラフ設定を構成できます。これらの設定により以下が制御されます:

  • グラフに表示されるメトリック (損失、レイテンシー、またはジッター)
  • グラフに表示されるインターフェイス
    グラフには、複数の Firebox インターフェイスからのデータを表示できます。
  • インターフェイスのテキストの色
  • グラフの背景 とグリッド線の色
  • データの更新間隔 (5、10、30、または 60 秒、2 または 5 分)
  • グラフのスケール (自動またはカスタム)

Firebox System Manager では、一度に 1 つのグラフのみが SD-WAN タブに表示されます。グラフの喪失、レイテンシー、ジッターを 1 ページで確認するには、Fireware Web UI から以下の手順を実行します:

更新オプションを構成する

Firebox System Manager には、直近 5 分のリアルタイム データのみが表示されます。直近 7 日の履歴データを確認するには、Web UI を使用する必要があります

Firebox System Manager が Firebox にデータを問い合わせる頻度を設定するには、以下の手順を実行します:

  1. 更新間隔 を選択します。
  2. 5 秒10 秒30 秒60 秒2 分、または 5 分 を選択します。

データの収集を一時停止する

一時停止 をクリックしてデータの収集を一時停止し、続行 をクリックしてデータの収集を再開します。

グラフのスケールを変更する

グラフのスケールを変更するには、以下の手順を実行します:

  1. グラフを右クリックし、グラフのスケール を選択します。
  2. 自動スケール または カスタム スケール を選択します。
  3. カスタム スケール を選択した場合、グラフを右クリックして 設定 を選択します。
  4. カスタム スケール テキスト ボックスに、5 ~ 100000 の値を入力します。
    既定のカスタム スケール設定は 50 です。

SD-WAN 監視データを解釈する

SD-WAN 監視データを使用してネットワークの状態を判断する前に、ネットワークに固有の基準値を設定することをお勧めします。このためには、ある程度の長時間にわたって計算した損失、レイテンシー、ジッターの平均値を確認します。ベスト プラクティスとして、過去 24 時間の平均値を考慮することが推奨されます。Firebox System Manager にはリアルタイム データのみが表示されるため、より長い期間の値を表示するには、最長 7 日間の履歴データが表示され、平均値が計算される Web UI を使用する必要があります。

Web UI で SD-WAN 監視データを解釈する方法の詳細については、次を参照してください:SD-WAN 監視データを解釈する

SD-WAN ステータスおよびフェールバックについて

Fireware v12.3 以降の SD-WAN タブで、SD-WAN アクションの接続を手動でフェールバックすることを選択できます。Firebox で構成されたすべての SD-WAN アクションのリストや各アクションのモード、インターフェイスおよびフェールバック オプションを表示することもできます。

このリストの SD-WAN アクションには以下が含まれます:

  • グローバル アクション — Firebox で複数の外部インターフェイスが構成されている場合に自動的に生成されます
  • その他の SD-WAN アクション — Policy Manager の ネットワーク > 構成 > SD-WAN ページで手動で追加します。

SD-WAN アクション リスト

SD-WAN アクションのリストでは、各アクションについて以下の情報が表示されます。

モード

グローバル アクションの場合、モードは、複数 WAN 構成で指定されたルーティング方法を示します:ルーティング テーブルラウンド ロビンフェールオーバー、または インターフェイス オーバーフロー

手動で追加した SD-WAN アクションの場合、モードは フェールオーバー です。

インターフェイス

SD-WAN アクションに参加するすべてのインターフェイスが表示されます。太字表示されたインターフェイス名はプライマリ インターフェイスです。

プライマリ インターフェイスを変更するには、以下の手順を実行します。

  • 手動で追加した SD-WAN アクションの場合は、SD-WAN 構成でリスト内のインターフェイスを上下に動かします。
  • グローバル アクションの場合、複数 WAN 構成で、インターフェイスをリスト内で上下に移動します。プライマリ インターフェイスを変更できるのは、フェールオーバー または インターフェイス オーバーフロー が multi-WAN ルーティング方法として選択されている場合に限られます。

フェールバック オプション

フェールバック オプションは、有効な新規の接続がプライマリ インターフェイスをどのようにフェールバックするかを指定します:段階的、即時、またはフェールバックなし。

手動で追加した SD-WAN アクションの場合は、SD-WAN アクション構成でフェールバック オプションを設定します。

グローバル アクションの場合、フェールバック オプションは、複数 WAN 構成で選択したルーティング方法によって決定されます。multi-WAN 方法が フェールオーバーの場合、SD-WAN ステータス ページのフェールバック オプションは 即時フェールバック です。複数 WAN 方式が ルーティング テーブルラウンド ロビン、または インターフェイス オーバーフロー である場合、SD-WAN ステータス ページのフェールバック オプションは N/A と表示されるはずです。

SD-WAN アクション構成では以下のオプションを構成できます:

  • 即時フェールバック — アクティブな接続と新しい接続でフェールバック (元の) インターフェイスが使用されます。
  • 段階的フェールバック — アクティブな接続では引き続きフェールオーバー インターフェイスが使用され、新しい接続ではフェールバック (元の) インターフェイスが使用されます。
  • フェールバックなし — 有効な新しい接続は引き続きフェールオーバー インターフェイスを使用します。元の WAN 接続にフェールバックする前に、フェールオーバーの原因となった問題が解決されたことを確認する場合は、このオプションを選択することをお勧めします。

SD-WAN アクションで 段階的フェールバック または フェールバックなし を選択した場合は、SD-WAN ステータス ページで手動フェールバックを開始することができます。この手順は次のセクションで説明されています。

手動フェールバックを開始する

SD-WAN アクションに参加するインターフェイスの場合は、手動で強制的に接続して、フェールバックさせることができます。

SD-WAN アクション構成で、フェールバック設定が 段階的フェールバック の場合は、以下の手順を実行します。

  • FSM の SD-WAN タブで、フェールバックを強制する オプションを選択できます。
  • フェールバック強制 オプションは有効な接続を終了し、新規の接続がフェールバック (オリジナル) インターフェイスを使用するよう強制できます。

Screen shot of the force failback option in WSM

SD-WAN アクション構成で、フェールバック設定が フェールバックなし の場合は、以下の手順を実行します。

  • FSM の SD-WAN タブで、段階的フェールバック または 即時フェールバック オプションを選択できます。
  • 段階的フェールバック オプションでは、フェールオーバー インターフェイスでアクティブな接続が維持され、新しい接続でフェールバック (元の) インターフェイスが強制的に使用されます。
  • 即時フェールバック オプションでは、アクティブな接続が終了され、新しい接続でフェールバック (元の) インターフェイスが強制的に使用されます。

Screen shot of the manual failback options in FSM

関連情報:

SD-WAN について

SD-WAN を構成する

SD-WAN ステータスおよび手動フェールバック (Web UI)

Firebox System Manager (FSM) で Firebox を監視する